咲坂伊緒先生の新連載「思い、思われ、ふり、ふられ」第4巻です!
もくじ
「ノリでこういう事しないでよ!」
衝動的にキスしてきた理央に怒る朱里。
「無かった事にしてあげる」と言いつつも、心の中では「どうしよう」という思いが渦巻いていた。
由奈にも本当の事が話せず悩んでいるところに、以前合コンで言い寄られた男子から、返事を迫られる。
しつこく圧をかけてくる男子に対して、「それどころじゃないんだってば」と言ってしまう。
「自分はその気ないくせに、相手にはその気にさせるのが趣味とか、そういうのダッサいからやめたほうがいいよ」と言って男子は去る。
このやり取りを、和臣に聞かれてしまう。
「今のは違うから」とっさに否定する朱里。
「大丈夫、分かってるから」と答える和臣。
由奈の顔も 理央の顔も 乾くんの顔も
まともに見れない
どうしてこんな事になっちゃったんだろう
私 なにか 間違えたのかな
理央は朱里を心配する由奈に、本当のことを話す。
キスのことは きっと
朱里ちゃんのせいじゃない でも
やっぱりショックっていうか
すごく いやだ
由奈は理央に対して怒る。
今まで2人が頑張ってきたことが、全て無駄になってしまう、なんでそんな事をしてしまったのか。
理央の味方でいたいと思っていたが、そんな気持ちでいられなくなってしまう。
由奈は、理央に決定的な言葉は言わせないで、今のままでいようとしている朱里に対しても怒っていた。
更に、自分が理央の話を聞いてあげることで、朱里への気持ちを自覚する時間を増やしてしまった事も後悔するのだった。
朱里は由奈を避けてしまっていたことを謝る。
由奈が、理央の気持ちを聞いてあげてはどうかと提案すると、「それはできない」、と断る朱里。
「実際言葉に出されたら、もう取り消せないんだよ。」
「もう元に戻れないって事だよ?」
家族が終わるのはもう嫌だ、今までしてきたことが無意味になってしまう。
「だったら最初からあんな事しない!!」と言う朱里。
「あんな事…?」と由奈。
朱里は、初めて顔合わせをした日のことを話す。
理央くんから留守電が入ってた事さえ 気付かないうちに
スマホを壊してしまったように装う事で
これから家族になる理央くんが
気まずい思いをしないですむようにした
それを印象づけるために
理央くんのお父さんのスマホを使って
理央くんを その場に呼び出したって言ってた
朱里はそのあと、理央は自分の事なんかとっくに好きじゃなくなってると思っていたのだった。
朱里がそう思えるくらい、理央もちゃんと頑張っていたのだ、と思う由奈。
誰が悪かったんだろう
多分 誰も悪くない
責めるべき対象がなくて
だから尚更切ない
朱里に避けられ続ける理央は、学校で朱里を呼び止める。
以前朱里が振った男子が、言い合いをする2人の様子を見て言う。
「姉弟ゲンカっていうか、痴話ゲンカみたい。ってかほんとにそうだったりして。」
「もしかして、山本ってほんとに朱里ちゃんの事好きだったり」
カッとなって「だったら…」と言いかけた理央を止める由奈。
その場に居た和臣が言う。
「あんな風に追い詰めるような事言わなきゃ、気が済まないのかよ。そういうの男らしくねーだろ」
「これ以上ふたりに突っかかる様な事したら、殴る」
朱里は、怒ってくれた和臣にお礼を言う。
「自分の友達が、あんなふうに言われたら、いい気しないし」と和臣。
朱里が男子を振った時の会話を聞いてから、気まずかったという和臣の言葉を聞いて、「私の事さけないでほしい」と言う朱里。
わだかまりは解消する。
一方、由奈は「あんなのはよくない。勢いまかせに、あんなふうに理央くんの気持ち、バラそうとするなんて」と理央に怒る。
理央は行き詰まって苦しんでいた。
由奈は、「苦しいのは理央くんだけじゃない」と言う。
朱里ちゃんは キスの事だけで苦しんでるんじゃない
告白するつもりだった 理央くんの気持ちに
気付かなかった事にしようって 決めた時から
ずっと 苦しんでるのに
朱里の事情を知ったとたん、朱里の味方もしたくなって、行ったり来たりする自分にも腹が立っていた。
家に帰った理央は、母親から顔合わせした日のことを聞く。
わざとか スマホこわしたのは
そんで留守電にすら 気付いてなかったって事にすれば
俺も気まずい思いしなくて済むからな
全てを理解した理央は、朱里に謝る。
朱里
今まで ひとりでがんばらせてごめん
それから
優しいウソを ありがとう
理央は由奈に、朱里と和解したことを報告する。
「朱里が家族の事考えて、今までどんな風に立ち回ってたのか知っちゃったら、自分の気持ち、あそこでぶつけるとか出来ないよね」
理央の苦しい気持ちはこれからも続くということに、落ち込む由奈。
一方、朱里は、近付いたかと思われた和臣との距離が、また元に戻ってしまったような気がしていた。
それでもめげない朱里を見て、由奈ももっと頑張ろうと思うのだった。
「何もしないで、何も起こらない方が、傷付くより悲しいもん。「私なんか」って本当は思いたくないの」
そう言う由奈を、「頼もしくなった」と褒める朱里。
由奈は、朱里の家から帰る途中、「私も一緒に行きたい」とコンビニに行こうとする理央を呼び止める。
自分にしては、大きな一歩を踏み出せた事が嬉しい由奈。
小さな一歩をたくさん集めて
いつか理央くんの心にも
こんなふうに近づきたい
そう思うのだった。
朱里が今まで家族の為に、背負いこんできたこと、ついに理央にもわかってしまいました。
さすがに朱里の気遣いを知ったら、理央は自分の気持ち抑えるしかないですよね…。
誰が悪かったんだろう
多分、誰も悪くない
責めるべき対象がなくて
だから尚更切ない
ほんとその通りだと思いました。
朱里と和臣も振り出しに戻ってしまった感じです。
和臣は理央が朱里を好きだと気付いているのでしょうか。
朱里がフッた男子に煽られて、理央が「だったら…」と言いかけたところ、あそこで気付いたのかどうか。
和臣、鈍感そうだからそれは無いかな…もしあったとしたら、それが原因で朱里に対する態度が元に戻ってしまったのかと思いました。
せっかく前を向いていた由奈も逆行してしまうのは悲しいので、朱里に影響された由奈が「頑張る」と決めてくれて安心しました。
和臣がそろそろ恋するモードに入ってくれてもいいかなぁ。
理央が自分の想いを封印する以上、流れ的には由奈と理央、朱里と和臣、という組み合わせになっていくのでしょうか。
それとも、新たにキャラが登場したりするのか。
朱里と理央の親が離婚するとか。
いろんな展開が予想できますが、どうなるのかなぁ。