「ヒロイン失格」の幸田もも子先生の新連載、「センセイ君主」3巻です。
もくじ
待ち合わせ場所に着くと、「風邪をひいたから、デートは中止してください」とメールが。
がっかりするあゆはの前に廣祐が現れ、先生の看病を頼まれる。
先生に料理を作ろうと、張り切るあゆは。
買い出しに出掛けた帰り道、虎竹に遭遇する。
先生と家に二人きりだと聞いた虎竹は、あゆはと一緒に先生の家に。
「どういうつもりだ、あゆはが好きなのか」と問い詰める。
「生徒以外のなにものでもない」と答える弘光先生。
一人でまくしたてる虎竹に、「さまるんのこと好きなんでしょ」と逆に訊く。
「いくら俺に文句あったとしても、さまるんが俺を大好きなんだから、しょーがないじゃん」
自分に文句を言う暇があったら、好かれる努力をしろ、と言うのだった。
弘光先生からクリスマスプレゼントをもらって、浮かれるあゆは。
帰り際、虎竹は先生に宣戦布告。
「今は確かに負けてるけど、こっから巻き返すから、オレ」
「やれるもんなら、やってみなよ」と弘光先生。
「しっかりムキになってんじゃん、先生」と虎竹に言われるのだった。
12月31日、大みそか。
虎竹に紹介してもらった蕎麦屋でバイトをしていると、お客の中に友人と食事をする弘光先生の姿を発見する。
自分のことが話題になっているのを聞き、先生の気持ちを聞けるチャンスだと考えたあゆは。
馬の被り物をして、先生がいるテーブルの接客をする。
先生にはとっくにバレていたが、そうとは知らずにアピールし続けるあゆは。
「いつも一生懸命で、素直にいい子って思えるよ」
という先生の言葉を聞いて、舞い上がってしまう。
あゆはがテーブルを離れたあと、麦ちゃんが合流する。
「何びびってんのよ?自分の気持ち偽って生きて、本当に後悔しない?自分の気持ちに後ろぐらいところがなければ、何も気にする事ないじゃん!」
と、弘光先生は、麦ちゃんに尻を叩かれる。
帰りがけには、「今時、教師と生徒なんて禁断でも何でもないと思う、そんなの気にするお前じゃなくない?」と友人に言われる。
バイトが終わったあゆはは、弘光先生からの連絡を受け、一緒に初詣に行くことに。
歩きながら、ついに弘光先生が言う。
「じゃあ付き合う?」
しかし、除夜の鐘の音に邪魔されて、あゆはは聞き逃してしまうのだった。
大みそか、先生の言葉を聞き逃したあゆは。
先生が何を言ったのか、気になっていた。
そんな中、弟の廣祐から、先生がお見合いすると言う話を聞く。
廣祐とあゆはは、二人でお見合い現場に潜入することに。
当日、意外にも意気投合している様子を見て、焦るあゆは。
学校であれこれ先生に吹き込んで、仲を阻止しようとするが、上手くいかない。
考えたあゆはは、お見合い相手が働く店に乗り込み、本性を暴こうとする。
しかし、自分に勝てる要素がひとつも無い程、いい人だと判明。
更に落ち込む。
一方、お見合い相手に頼まれ、家に行ってパソコンの接続をする弘光先生。
「もしよかったら、これからも会って欲しい」とお見合い相手に言われる。
弘光 「やめておきます」
お見合い相手 「気になる人がいるんだ?」
弘光 「いえ」 「気になるというか」 「もう 好きなんだと思います」
弘光先生が、お見合い相手のマンションを出ると、入り口に座り込んでいるあゆはの姿が。
「さまるん、もうこれっきり、1回しか言わないからね。俺と、つき合う?」
「え?」
固まるあゆは。
ついに弘光先生と付き合うことになったあゆは。
初デートは、先生の車で江の島へ行くことに。
デート当日、先生は学校の関係者にバレないよう、変装をしていた。
人前では手を繋いでくれない。
さすがに慎重すぎるのではないか、と考え始めるあゆは。
まだ時間も早いのに、渋滞を気にして帰ろうとする先生。
帰りの社内、あゆはは突然「キスをしませんか」と切り出す。
「しないよ、運転中だし」と先生。
あゆはは、「先生は自分の事が、そんなに好きじゃないのでは?」「付き合ってくれたのは、気の迷いだったのでは?」と不安で泣き出してしまう。
弘光先生は、「俺は別にバレても困らない」、と言う。
変装したのも、人前で手を繋がないのも、全てあゆはの事を考えての行動だった。
教師と付き合っていることがバレて、あゆはの将来の選択肢を減らすわけにはいかない。
そんな弘光先生の心配りに、あゆはは改めて惚れ直すのだった。
あゆは、相変わらずバカだなぁ…と思っていたのですが、弘光先生はそこがいいんですね、きっと。
あゆはがこうでなければ、付き合う事にはならなかったんだろう。
どう考えても、麦ちゃんの方がお似合いなんだが。
付き合う前も、付き合うことになってからも、変わらず全力なあゆはが可愛いです。
弘光先生の行動も、冷たいようでいて、実は、あゆはの事ちゃんと考えていて良かったです。
メールくらい返してあげてもいいのに、と思いますけど。
いくら俺様でも、そのくらい歩み寄ってやれよ…と。