「ヒロイン失格」の幸田もも子先生の新連載、「センセイ君主」9巻です。
もくじ
弘光先生に、新たな試練が。
教頭の姪っ子、石原さとみという女子が不登校で、今学期中に学校へ来させるように頼まれてしまう。
話を聞いたあゆはは、先生の役に立てないかと考える。
アオちんや虎竹と共に、さとみの自宅を訪れる。
さとみは、あゆは達が、自分を学校に登校させる為に来たのだと悟り拒否をする。
さとみが好きなマンガをきっかけに、仲良くなろうとするあゆは。
家に帰り、弘光先生に状況を説明する。
「彼女、ただのかまってちゃんだよ」
そう分析し、ほっといたほうがいいと言う弘光先生。
しかし、あゆはは諦めず、次の日もさとみの家に行く。
マンガの話で盛り上がり、「楽しかった」と笑うさとみ。
作戦は成功かと思われたが、そう甘くはなかった。
それと、学校に行くこととは別、状況はまた振り出しに戻ってしまう。
結局、最後は弘光先生が。
卒業する気はあるのか、そのために必要な出席日数等々、現実的な話を聞いたさとみは、登校するようになるのだった。
夏休み、あゆはの両親が、シンガポールから一時帰国することに。
その間、両親から、実家に戻るように言われる。
先生としばらく離ればなれになってしまうあゆははがっかり。
ある日、従妹の裕翔が遊びに来る。
動物園に行きたいと言う小3の裕翔。
あゆはは先生を誘う。
「裕翔」がどんな奴か気になる先生は、一緒に行くことに。
弘光先生があゆはの彼氏だと知った裕翔は、嫉妬で様々ないたずらを仕掛ける。
大人げなく対抗する先生。
いたずらが過ぎる裕翔を叱るあゆは。
弘光先生は裕翔に言う。
「俺はずっと、さまるんに好きでいてもらえるように頑張るよ。だから裕翔くんも、正々堂々と頑張んなよ」
素直に聞き入れ、機嫌を直す裕翔。
帰りの車中、先生はあゆはにバクのネックレスをプレゼント。
「また連絡するから、それまでいい子で宿題やってな」
と言うのだった。
あゆはは、弘光先生から旅行に誘われる。
大学のサークル仲間と、貸別荘で一泊するのだという。
連れて行く代わりに、「数学の宿題を全部終わらせたら」と条件を出される。
意地でも終わらせてやる、と意気込むあゆは。
カフェで宿題に取り掛かるも、全く解らず進まない。
その様子を見ていた、隣に座るイケメンが話しかける。
「オレやろっか?」
そう言って、スラスラ解き始める。
数学の神様が舞い降りた!と喜ぶあゆは。
飲み物を買って席に戻ると、イケメンの姿はなかった。
無事に旅行に出発し、貸別荘に到着する。
弘光先生は、あゆはの宿題を見て言う。
「こんな高等な解き方、お前に出来るわけない。誰にやってもらった?」
一瞬でバレてしまう。
そこに現れた、あの時の数学の神様。
宿題をやってくれたのは、先生の後輩、白川旺だった。
白川は、憧れだった弘光先生の彼女が、あゆはだということに納得いかない様子。
バカなのに、彼女づらしているあゆはがムカつく、と言う。
あゆはも負けじと対抗する。
会話を聞いていた弘光先生は、「あの子の魅力は、俺しか知らなくていい」と白川に言う。
そんな白川は、新学期からあゆはの学校で、教育実習することになっていた。
新学期、久々に登校すると、早速、教育実習生の白川が現れる。
あゆはのクラスの担当になる。
旅行先でキツイことを言われたのを思い出し、気が重いあゆは。
学校でも、相変わらずあゆはにキツく当たる白川。
あゆはのせいで、弘光先生のへのガッカリ感がすごいから、自分を納得させてほしい、と言う。
あゆはは、自分のせいで、先生のイメージが下がるのはあってはならない事態だ、と名誉挽回に励むも、全てが空回り。
自分はなんでこんなにバカなんだろう、と落ち込むあゆは。
「さまるんのこと、本当にバカだなんて思ってないよ」と弘光先生に言われ、それだけで元気になれるのだった。
本編の石原さとみちゃんも衝撃でしたが、弘光先生と虎竹のBLの方が衝撃でした。
ここから新たなストーリーが始まってしまうような…面白かったです。
白川さん、初期の弘光先生と同じ匂いが。
弘光先生がインテリなのは承知でしたが、相当すごい人だったんですね。
白川さんが述べていた、「バカの定義」みたいなやつ。
なかなか正論かも…と思いました。
頭のいい人の中には、こう思っている人、少なからずいそう。
「あの子の良さは、自分にしかわからない」と先生が言っていました。
あゆは、どうやって白川先生を納得させるのでしょうか。