「3月のライオン」第10巻のネタバレと感想

「3月のライオン」第10巻です。

2017年実写映画化されますが、アニメもとても面白いです!

毎週土曜23:00から、NHK総合テレビで放送中です。

2017年1月25日には、Blu-ray&DVD第1巻が発売されました。

それでは、原作の「3月のライオン」第10巻の内容と感想をお届けします。

マンガ「3月のライオン」第10巻のあらすじ

零は高校3年になり、同じ学校に入学したひなを校内で見かけるようになった。

ひなは仲良しの友達ができ、手作り部という部活にも入り、充実した日々を送る。

 

ある日、校舎の屋上でお昼ご飯を食べていた零と林田先生。

ふと下を見ると、1年生の男子に声をかけられているひなの姿が。

そこに向かって、とっさに全力で走っていく零。

林田先生は、零が無意識にひなの保護者ポジションになりつつあることを心配していたのだが、熱くなった姿を見て安心するのだった。

 

零は久しぶりに幸田家を訪れる。

義母は零が家にいた頃のことを思い出す。

自分の夫も零と同じような子供時代を歩んできた人間。

夫にとって一番解り合える人間は、家族ではなく零だった。

零がなぜこんなにも「いい子」だったのか、なぜ自分の子供はこんな風に育たなかったのか、自分の育て方が悪かったのか。

次々と湧いてくる疑問。

 

その晩、零が本当の自分の子供である夢を見る。

本当の子供になった零は、歩や香子と同じような子供だった。

がっかりしながらも、心からホッとしたのだった。

 

対局と日程が重なり、修学旅行に行けなくなった零は、自分の高校生活を振り返る。

結局、何も変わらなかった、けれども後ろめたさは無く、晴々とした気持だった。

林田先生が言った。

「お前がクリアしたかったのは、クエスト自体じゃなくて、多分 気持ちのおさまり場所だったんだろうな」

 

川本家でひなと一緒に洗い物をする零。

高校生活が楽しくて、たくさんしゃべるひなの話を聞きながら、初めて「六月町」という名前を知った時の事を思い出していた。

1年中雨が降っているみたいな名の街だ、ここに自分が紛れ込んでも許される気がする、そんな暗いことを考えていた。

けれど今は、灯りのともる三月町の、川本家の灯りの中にいる。

この灯りを失うことを不安に思う零だった。

 

おじいちゃんが体調を崩して入院することに。

あかりにおつかいを頼まれて、川本家に到着する。

声をかけても返事が無いことに違和感を感じた零。

家の中には川本姉妹の父親がいた。

 

ただごとではないと悟った零は、ひなとモモを守り父親に応対する。

そこにあかりが帰宅する。

父親は「もう一度一緒に暮らそう」と言う。

あまりにも身勝手な物言いに、言葉が止まらない零。

そこにみさきおばさんが登場し、仕方なく父親は家を出る。

 

再び現れた父親。

林田先生や野口先輩から入手した情報を突きつけるも、全く動じない。

他人は引っ込んでいろと言う父親に、「自分はひなたとの結婚を考えている」と宣言する。

予想外の展開に驚く一同。

零の決意は固いものだった。

 

第10巻、衝撃の展開でした!

いろいろあったのに、父親が全部持ってった!と言う感じです。

 

零が幸田家に訪れた時、母親が回想するシーン。

あの子を見ていて 思い知らされたのは

「辿り着きたい場所」を持ってしまった人間というのは

ここまで突き詰めないといけないのかという事だった

「なりたいものになれる人間なんて ほんの一握りの人だけなのだから」と

「どうやったらなれるか」も考えずに来た私にとって

あの子の姿は 胸にもやもやと重かった

母親の気持ちがすっごいわかって切ない場面でした。(同じ、ごく普通の主婦として)

「なりたいものになる」ために、「どうやったらなれるか」を考えてはみるけれど、「なれない」と諦めるのが大半、普通なのだと思います。

零の場合、「なりたい」という思い以上に「ならなければならない」という状況があったわけですよね、自分の居場所を確保するために。

母親の目には、そんな零の姿が異様に映ったのかもしれません。

零が本当にいい子で、歩も香子も大切な自分の子供ですから複雑です。

 

幸田家を出ようとした零が、飼い犬のタロウを抱きしめるシーン。

「じゃな ダロウ」

羽海野先生、動物はだめだってー。泣きます!

零はもうここには来ないんだということが伝わる一コマ。

タロウはずっと零のこと見てきたんですよねぇ。

次のコマで、タロウに「長生きしてな」「元気でな」っていうんですけど、ほんと泣ける。

 

人生は計り知れない

「一寸先は闇」って言葉だけがメジャーだけど

その逆もまた

充分起こりうるのだ 

「3分先は光」みたいに

川本家で楽しい時間を過ごしたあとのシーンです。

「3分先は光」って素敵な言葉だなぁと思いました。

他にも、入江さんとの対局、島田八段がアートネイチャー的なCMを断るところ、数々の名シーンをぶっちぎって、10巻はやはりここではないでしょうか。

 

僕は ひなたさんとの結婚を考えています

だから 他人事なんかじゃ無いんです!!

零くんの覚悟が伝わる一コマ。

「お嬢さんを僕にください」的なやつです。

人は守りたい物ができると強くなれるっていう。

いつの間にこんなに頼もしくなっちゃったんだろう。

かっこいい大人の零くんが垣間見れた瞬間でした。

零くんガンバレ!!