「神様はじめました」第20巻のネタバレと感想

鈴木ジュリエッタ先生のマンガ「神様はじめました」第20巻です。

アニメ化もされました。

マンガ「神様はじめました」第20巻のあらすじ

修学旅行3日目。

奈々生たちは市内観光に出掛ける。

クラマのスクープを狙う女子、杵島は、自分のクラスを抜け出して、怪しい動きを始める。

クラマの正体を突き止めるため、奈々生や巴衛に探りを入れる。

途中、クラマの羽を偶然手にした杵島は、妖が見えるようになってしまう。

恐ろしい体験をした杵島は、詮索するのをやめるのだった。

 

巴衛がホテルの部屋で寝ようとすると、目の前にミカゲが現れる。

島の巫女への使いを頼まれる。

巴衛はその島での嫌な経験を思い出していた。

 

当時も今回と同じように、ミカゲの使いで島に来た巴衛。

雨が降る中、巫女に会うため歩いていると、一人の子供に出会う。

全身雨に濡れたその子供が、「近道を案内する」と言うため、背負って歩くことに。

しかしいつまでたっても到着せず、しまいには「道に迷った」と言い出す始末。

巴衛は子供を抱えて空を飛び、上空から案内させる。

空を飛んだことに大喜びする子供。

到着すると、「ここから先は巴衛は入れない」と言う。

この子供こそが、島の巫女だったのだ。

巴衛は、島から放たれる光の帯に気圧され、門前払いされた気分になるのだった。

 

そしてあれから数十年、再び来ることになった島。

前回とは違い、すんなり入ることができた。

巴衛の前に現れた、あの巫女は、変わり果てた姿になっていた。

たった 数十年で

人は こんなに 変わるのか?

人間の寿命の儚さを目の当たりにした巴衛。

巫女は、あのとき巴衛と空を飛んだことを思い出し、「楽しかった」と語った。

それを聞いた巴衛は、「いつか大人になって思い出すのよ」という奈々生の言葉を思い出すのだった。

奈々生もいつか こうやって

変わっていくのだろう

その時 俺は どうしたらいい

 

修学旅行を終え、ミカゲ社に戻った奈々生たち。

巴衛が突然「俺が人間になったらどう思う?」と言い出す。

あまりに唐突で、きょとんとする一同。

 

人間界の書物を読んだり、人間に興味を持ち始めた巴衛を、奈々生は嬉しく思っていた。

ある日、奈々生はあみから「進化の水」の話を聞く。

その頃、巴衛もクラマから同じ話を聞いていた。

これを飲んだら巴衛は人間になれるかもしれない、そう思った奈々生は急いで止めに行く。

奈々生は、人間になったら巴衛は長く生きられない、人間になることを考えるのはもっと先でいい、と考えていた。

 

ミカゲの友人の葬式に行くことになった奈々生。

樹木になったという友人の最期の姿は、苦しみでのたうち回ったことがわかる、むごい姿だった。

巴衛がこの友人と同じ病を患っている、と言うミカゲ。

その病は「恋」だと言う。

人と恋をした成れの果て、「自分と巴衛の行きつく先」を知ってしまった奈々生は、巴衛が「人間になりたい」と言った、その思いを考え直す。

 

社に戻った奈々生は、巴衛に進化の水を返す。

高校を卒業するまで、飲むのは待ってほしいと言う。

しかし巴衛はその場で水を飲み干してしまう。

すると衛は狐の姿になってしまう。

ミカゲも元の姿に戻すことはできず、大国主に依頼することに。

 

ある日、奈々生が買い物に出掛けると、霧仁に遭遇する。

「五百年前の えりまき女。お前は 何者だ?」

そう尋ねる霧仁に、悪羅王の霧仁が、なぜ仲の良かった巴衛を憎んでいるのか、と聞き返す。

「巴衛に殺された」と答える霧仁。

巴衛に殺されたというならば、霧仁に相応の理由があったからだ、自分は巴衛を信じる、と言う奈々生。

「どうして お前の言葉が、こんなに 俺に突き刺さる?」

見た事のない顔をする霧仁だった。

 

その夜、奈々生の寝床に入ってくる狐の姿の巴衛。

元気のない奈々生に、「何かあったか?」と尋ねる。

奈々生は、「今日、悪羅王に会った」と言うのだった。

 

杵島ルリ子、大事にならなくて良かったです。

クラマが16年間築き上げてきたものが、危うくパーになるところでした。

さすがに本物見ちゃったら、恐ろしくて何もできませんよね。

巴衛の程よい脅かし方が功を奏しました。

 

ウナリの遣い、小鬼くんの名前は「キジムナー」とは知らなかった。

祝福の光、粋なお礼でした。

あみに見せてあげようと、自分の羽を渡すクラマがカッコよかった。

 

島の巫女の話にはかなりやられました。

子供とかお年寄りが出てくる話には、涙腺が緩くなる傾向が。

ミカゲはわざとお使いに行かせたんだな。

あの時子供だった巫女の、今の姿を見せるために。

これは嫌でも奈々生に重なってしまいますよねー。

いつか奈々生もこうなる、と目の当たりにした巴衛の気持ちが計り知れない。

 

ミカゲが奈々生に紫殿の姿を見せたのにも、意図があったんですね。

巴衛の未来の姿を、今度は奈々生が目の当たりにすることになる。

ミカゲ様って本当にすごい。

良い結果をただ与えるのではなくて、そこまでの過程にレールを敷く、人を導くためのお膳立てをする…それが神様の仕事?

今となっては、ミカゲがいないと話が成立しなくなってます。

 

巴衛が狐になってしまいました。

またしばらく神使の巴衛にお別れなのかなー。

せっかく鏡から出てきたのに、何やってるんだか…

 

悪羅王が、奈々生と五百年前に会っていたことに気付きました。

奈々生も、「霧仁が悪羅王」だと気付いた。

そして、巴衛は「悪羅王が生きている」と聞いてしまった。

これから波乱の予感がします。